お話と教訓:山の木と雁

昔話
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今回のテーマ:山の木と雁

昔話には人生の教訓、生きるためのヒントが散りばめられています。今回は山の木と雁というお話をご紹介したいと思います。一緒に考えていきましょう。

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学べる教訓

・有用、無用を超えていくこと

お話の内容

荘子(中国古代の思想家)とその弟子が山の中を歩いているとき、枝葉の立派に茂った大木を見かけました。
周辺には木こり達がいたがその大木には手をつてようとはしていません。荘子がわけを聞くと、木こり達はこう答えました。
「この木は役に立てようがないから」
荘子は言いました。
「この木は役に立たないおかげで天寿を全うできるんだ」

荘子は山を出て、友人の家に泊まりました。友人は喜び、召使の少年に雁をつぶして料理するように言いつけました。
少年は言いました。
「二羽の雁の内、どちらを使用しますか?一羽は良く鳴き、もう一羽は泣きません。」
主人は言いました。
「鳴かない雁を使用しなさい。」

翌日、荘子の弟子がこう尋ねました。
「木は役に立たないから、天寿を全うできます。ただ、雁の場合は役に立たないから死んでしまいました。先生は役に立つ、役に立たないの内、どちらをおとりになりますか?」

さて、荘子は何と答えたでしょうか?

荘子は笑いながら答えました。
「そうだな。私は役に立つことと、役に立たぬことの中間にいようと思う。だが、その中間も偽物だ。だから、災難を逃れられない。ただ、もしも無為自然の道に従って遊ぶならば、そうではない。人に褒められることなく、非難されることなく、時の流れとともに変化して、自分勝手に動かない。そうできれば災難に会うことはないだろう。」

解説

皆さん、いかがだったでしょうか?

このお話は、役に立たないから生き残るお話と、死んでしまうお話で構成されています。

役に立つ方と、立たぬ方、どちらが良いと思いますか?という弟子の質問に対して荘子はその中間にいたいが、それすらも偽物だ、と答えています。

このお話はその時々で柔軟に行動していくことが大切だ、ということを教えているのだと思います。物事に絶対の正解側は無く、その時々で役に立つ側と立たぬ側、その中間側ですら災難に遭遇することはあり、必要なことはその時々の変化に対応していくことだ、ということ。

なんともモヤモヤするお話ですが、この手のお話に正解をつけることはできないので、皆さん一人一人のとらえ方で良いのだと思います。ただ、その自分の意見はしっかり持ち、他人の意見も受け止める、そんな姿勢が荘子の答えた内容なのかもしれません。

他のお話はこちら

それでは!

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