お話と教訓:地獄

昔話
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今回のテーマ:地獄

昔話には人生の教訓、生きるためのヒントが散りばめられています。今回は地獄というお話をご紹介したいと思います。一緒に考えていきましょう。

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学べる教訓

・人の幸福、不幸とは何か

お話の内容

一人の男が夢を見ていました。彼は死んでしまって、遠い遠いところにいます。そこはとても快適な感じがしていました。ちょっと休んでから彼は呼びかけました。
「誰かいますか?」

すると、直ぐに白い服を着た人が出てきてすぐに男に訪ねました。
「何かご希望ですか?」
男は答えます。
「何かもらうことはできますか?」
「何でもあなたのご希望の者を差し上げられます」
「では、何か食べるものを持ってきてください。」
「何を召し上がりますか?ご希望のものはございますか?」

彼は食べたいものを運んでもらい、それを食べて眠り、素晴らしい時間を過ごしました。それから演劇を見たと希望すると、それも見せてもらえました。こうして繰り返し、繰り返し、彼は望むもののすべてを叶えられました。

さて、この後男はどうなったでしょうか?

しかし、そのうちに彼はそんな環境に飽き飽きしてしまいます。白衣の人を呼び寄せて言いました。
「私は何かをしてみたいのですか」
白衣の人は答えます。
「申し訳ありませんが、それこそ、ここであなたに差し上げられない唯一の事柄なのです」
これを聞いた男は言います。
「私は吐き気がします。飽き飽きしました。いっそのこと、私は地獄にいる方がましだ」

すると白衣の人は奇妙な叫び声をあげてこう言いました。
「一体、あなた、何処にいるとお考えだったのですか?」

解説

皆さんいかがだったでしょうか?

このお話は願望がすべて適う場所に迷いこんだ男の物語です。
結末が少しホラーですが、このお話から、人にとっての幸福、不幸とはいったい何かを考えてみたいと思います。

男は最初は自分の願望が次々と適う状況に幸福を感じますが、やがて吐き気を覚えています。
何でも願望がかなうなら幸せだと思ってしまいますが、なぜなのでしょうか。

人は物事が好転しているとき、上向きに感じているときに幸福を感じ、事態に変化がないことに不安を感じます。男は途中から全く何も変化をしなくなった状況に対して、とてつもない不安を感じているのでしょう。

モノが豊かであるから、お金がたくさんあるから幸福なのではありません。幸福は何かに比例して良くなるものではありません。この部分を勘違いすると、お話の中の男のように地獄に気づかないかもしれません。

他のお話はこちら

それでは!

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