お話と教訓:町と田舎のネズミ

昔話
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今回のテーマ:町と田舎のねずみ

昔話は子供向けのお話ですが、人生の教訓、生きるためのヒントが散りばめられています。今回は町と田舎のねずみをご紹介したいと思います。一緒にお話の内容を考えていきましょう。


学べる教訓

・何が良いかは人それぞれ
・リスクとリターン

お話の内容

むかしむかし。
ある静かでのどかなところに、田舎のねずみが住んでいました。
田舎のねずみは、ある日、町のねずみへ手紙を書きました。
「町のねずみ君へ、今度、田舎へ遊びに来てください。」

その手紙を読んだ町のねずみは、すぐに田舎へと遊びにきました。
「やあ、田舎のねずみくん。遊びにきたよ」

田舎のねずみは大喜び。町のねずみへとご馳走を振る舞います。
それは、野菜の切れはしや、きのみでした。それを見て、町のねずみはため息をつき言いました。
「きみはいつもこんなまずそうなものを食べているのかい? 一度、町へ来てごらんよ。おいしいご馳走が食べ放題だよ!」

さて、この後田舎のネズミはどうなるでしょうか?

そうして、田舎のねずみは、町のねずみへ連れられて町へと向かいました。
町では人がたくさんいて、田舎のネズミは怖くてたまりません。町のねずみの家へ着くころにはすっかりくたくたになった田舎のネズミでしたが、家についてみて、さらに驚きます。テーブルの上には見たこともないようなご馳走が並べられていました。
「あれは、ケーキというんだよ。さあ、一緒に食べよう!」

そう言って、ゆっくりと近づく2匹ですが、どしん、どしん、と大きな足音が聞こえてきました。町のねずみは田舎のねずみの手を引いて、一目散に逃げ出しました。
「人間だ!隠れよう!」

何度それを繰り返したでしょうか。ケーキを手に入れた時には田舎のネズミあすっかりと疲れ切ってしまっていました。
「どうだい、おいしいだろう!・・・あれ?田舎のねずみくん、顔色がよくないね?」

田舎のねずみは、いくらおいしいご馳走でも、たのしく食べられませんでした。
そして帰るときになって、こう言いました。
「やっぱりぼくは、田舎のほうがいいよ。ご馳走はなくとも、ゆっくり食べられるもの」

解説

皆さんいかがだったでしょうか。

このお話の肝の部分は、何を良いと思うか、幸せの感じ方は人それぞれ、ということだと思います。田舎でののんびりとして暮らしに田舎のねずみは幸せを感じており、町でのあわただしい生活は、たとえご馳走が一杯でも幸せを感じられていません。

このお話にもう一つ考えるべきところがあると考えています。それは、リスクとリターンの考え方です。田舎での暮らしは最初に町のネズミが言っていたように御馳走は食べれていませんし、町のネズミ君がまずい、と評した食べ物ですら、田舎のネズミ君にとっては苦労して集めたものかもしれません。さらに、食べ物が見つからなければゆっくり食べることができても餓死してしまいます。

一方、町のネズミは食べ物を取るまでに人間に見つかり殺されてしまう危険はありますが、ご飯はそこら中に存在しているので、餓死する心配はなく、その一つ一つはご馳走です。

この2匹は両極端なので、どちらが良いというわけではありませんが、個人的には餓死の心配がない場所で、そこそこのご飯が食べれればそれで良いのかなと思います。(町で廃棄されている食べ物を狙うとか?)

要はリスクとリターンを考えて、自分にとって許容できるリスクを取っていくことが大切だということです。皆さんが物語のねずみの立場であったら、どちらのねずみに近いでしょうか?ぜひ、一度考えてみてください。

他にもお話は紹介していますので、良ければこちらも読んでみてください。

今回はこんなところで、それでは!

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