お話と教訓:カエルの登山

昔話
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今回のテーマ:カエルの登山

昔話、寓話には人生の教訓、生きるためのヒントが散りばめられています。今回はカエルの登山というお話をご紹介したいと思います。一緒に考えていきましょう。

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学べる教訓

・他人の夢、目標は簡単に潰せてしまう

お話の内容

一度は山に登ってみたいと思っていたカエルが十匹集まりました。みんなで一緒に登ろうじゃないかということになって、山の麓に集合しました。しかし、見送りに来た仲間たちはみんなヤジを飛ばすばかりだりでした。。

「登れっこないだろ! 行くだけムダだぜ!やめとけ、やめとけ」

そんな言葉を背に受けながら、十匹のカエルは出発しました。ぴょこぴょこと小さい足で跳ねながら、山に登って行きました。

中腹にさしかかったところで、ウサギたちに会いました。
「頂上まで登るんだ」カエルたちがと言うと、ウサギたちはすぐさまこう言いました。
「頂上に登る? 無理だ、無理だ! この山はものすごく高いんだ。そんな小さい足で登れるわけないよ!」
これを聞いて、すでに疲れ切っていた五匹はあきらめました。

残った五匹の前には、いっそう険しい上り坂が待っていました。やがてモミの樹海に入ると、今度はマーメットと出会いました。
「頂上に行くなんて、カエルさんたちには無理ですよ。あまりに無謀です。とんでもないですよ!」。
この言葉を聞いて二匹のカエルがあきらめました。。

残った三匹のカエルはなおも進みました。少しずつ、少しずつ、とにかく頂上をめざして進みました。ぴょこん、ぴょこん、ぴょこんと・・・

やがて今度は高山のヤギたちが現れ、カエルたちの様子を見て笑いました。
「このへんで引き返したほうがいいんじゃないか?その調子じゃ、あとひと月かかったって頂上には着かないだろ」
ここでまた二匹が脱落しました。

とうとう一匹になってしまいました。
しかし、この一匹はそれからずいぶんと時間をかけて、ついに頂上へと辿り着いたのでした。

その一匹が山を下りてくるのを待って、仲間たちはいっせいに聞ききました。
「一体どうやって登り切ったの?」

さて、この後カエルは何と答えたでしょうか?

でもそのカエルはただ一言「何?」と聞き返しただけだった。そこでもう一度大声で聞きました。
「どうやってこんな快挙を成し遂げることができたんだい?」

するとそのカエルはまたしてもこう聞き返した。
「何?何?何?」

そのカエルは耳が聞こえていませんでした。

解説

皆さんいかがだったでしょうか?

このお話は、周りからのヤジが聞こえなかったカエルのみが、困難な目標を達成できた、というお話です。

大きな目標、夢を持つ人は多くいます。しかしながら、周りからのネガティブな言葉によってそれをあきらめる人もまた多いと思います。
このお話はそういった周りからのヤジによって他人の可能性を潰してしまえる、ということを伝えています。

カエルが山を登ることは少しづつしかできず、カエル本人からしてとてもつらいことです。そこに周りからのヤジが入ろうものなら、カエルたちが持った大きな目標をあきらめてしまうのも無理のないことだと思います。

このお話から周りの人の声に惑わされず、コツコツと積み上げることが大切、ということはできると思います。しかし、私としては、このお話は周囲態度を戒めるものだと思いました。登り切ったける本人の気持ちではなく、描写されるのはヤジの言葉や、それをきっかけに離脱するカエルだからです。

仮に、周りのヤジが一切入らなれば、全10匹で登頂に成功していたかもしれません。
むしろ協力できる分一人よりもしやすいと思われます。

私たちがすごい、と思うことの達成にはその過程に大きな苦痛が伴います。
もし、身の回りに夢、目標を掲げる人がいて、その人に悪意を持っては論外ですが、善意からやめるように助言をしたいと思ったとしても、
それを言うことで他人の可能性を奪うことになる、ということは認識しましょう。

他のお話はこちら

それでは!

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