お話と教訓:猫とねずみのお友達

昔話
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今回のテーマ:猫とねずみのお友達

昔話には人生の教訓が散りばめられています。今回はそんな昔話から、猫とねずみのお友達をご紹介したいと思います。世の中は理不尽です。一緒に学んでいきましょう。


このお話から学べる教訓

・世の中の理不尽
・情報を仕入れる重要性

お話の内容

ある猫が、ねずみと知り合いになった。「あなたがとても好きだし、友達になりたい。一緒に暮らしましょう。外には罠があるから、君は出歩いてはいけないよ」と猫は言った。ねずみは猫と一緒に暮らすことを承諾し、家事などをすることになりました。

冬に備えて食料を備蓄しよう、と猫が提案した。それはよい考えだと、ねずみは一壺のおいしい油を買ってきたました。ねずみはどこにおいていいかが分からりませんでしたが、猫は油を協会に隠すと良いとアドバイスします。

あるとき、猫はねずみに「いとこが子供を産んで、名付け親になることになったから、ちょっと出かけてくるよ」嘘を言って出て行きました。猫は教会にやってくると、隠しておいた油の上端を舐め尽くして帰ってきました。ねずみは猫に、「なんて名前をつけたの?」と訊ねた。猫は涼しい顔で「『上なし』」だと答えました。「変わった名前ね?」、ねずみは首を傾げました。

猫はまたを油を舐めたくなり、前と同じ理由で家を出て、教会で壺の油を半分舐めてしまうと、そしらぬ顔で家に帰ってきました。ねずみが「今日はなんて名前をつけたの?」と訊ねると、猫は「『半分終わり』」と答えました。「そんな名前は聞いたことないわ」、ねずみはまた首を傾げました。

猫はまたまた油を舐めたくなりました。もちろん前と同じ理由で家を出て、教会で油を全部舐めてしまうと、何気ない顔で家に帰ってきました。ねずみが「今日はなんて名前をつけたの?」と訊ねると、猫は「『全部なし』」と答えた。「そんな名前は本にだって書かれてないわ。いったいどういう意味かしら?」、ねずみはまたまた首を傾げた。

さて、この後2匹はどうなるでしょうか?

冬がやってきて、油を取りに猫とねずみが教会に行くと、壺の中はからっぽでした。

「……ああ、いまはっきりとわかったわ。あなたは名付け親をしていたときに、油を全部食べてしまったのね! 最初は『上なし』、つぎは『半分終わり』、そして……」
「黙れ! それ以上言えば食ってしまうぞ!」
それでも言おうとするねずみに対して猫は襲い掛かり、ねずみを食べてしまいました。

世の中こんなものです。

解説

皆さんいかがだったでしょうか。

グリム童話というだけあって中々結末がハードですね。このお話の教訓は世の中の理不尽さだと思います。ねずみと友達になろうといってきたのは猫の方で、油を買ったのもねずみです。

しかしながら、ネズミは油を食べることもできずに、まっとうな批判をしようとしたら、最終的には自分までも食べられてしまいます。なんという理不尽さでしょうか。

後味が悪いですが、力が上の人にただ抵抗するだけでは自分を破滅させてしまう、ということを伝えてくれるお話だと思います。このお話は反面教師とするしかありませんね。

もう一つの教訓として情報の大切さが伝わってきます。ねずみは最初に危ないから、と外出を禁止されています。しかしながら、外に出歩いてさえいれば、猫のいとこに子供ができていないことに気づけたかもしれませんし、協会の油の様子を確認しに行けたことでしょう。

このお話は知識と力が両方ともないと、摂取されて破滅してしまう、ということを伝えているのかもしれません。

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今回はこんなところで、それでは!

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