お話と教訓:二人の商人

昔話
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今回のテーマ:二人の商人

昔話には人生の教訓、生きるためのヒントが散りばめられています。今回は二人の商人というお話をご紹介したいと思います。一緒にお話の内容を考えていきましょう。

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学べる教訓

・自分にしか登れない山(目標)を見つけ、超えていこう。

お話の内容

昔、江州の商人と他国の商人が、二人で一緒に碓氷の峠道を上っていました。焼けつくような暑さの中、重い商品を山ほど背負って険しい坂を登っているので、とても苦しそうです。

途中、木陰に荷物を下して休んでいると、他国の商人が汗を拭きながらこう嘆きました。
「本当にこの山がもう少し低いと良いんですがね。世渡り家業に楽なことはございません。だけど、こうも険しい坂を登るんでは、いっそ商人をやめて帰ってしまいたくなりますよ」

さて、これに対して江州の商人はどのようなことを考えているでしょうか?

これを聞いた江州の商人はにっこりと笑って、こう言いました。
「同じ坂を、同じぐらいの荷物を背負って登るんです。あなたが辛いのも、私が辛いのも同じことです。このとおり、息もはずめば、汗も流れます。だけど、私はこの碓氷の山が、もっともっと、いや数十倍高くなってくれればありがたいと思います。そうすれば、大抵の商人はみな、途中で帰るでしょう。その時こそ私は一人で山の彼方へ行って、思うさま商売をしてみたいと思います。碓氷の山がまだまだ高くないのが、私には残念ですよ。」

解説

皆さんいかがだったでしょうか?

このお話は、目標が困難であるほど、難しいほど、達成できたときに自分の思い通りにできる、ということを教えてくれます。

他国の商人は山がもっと楽であればいいのに、と思っていますが、山の高さが低ければ、それだけ登る商人の数が増えて、その先にでの商売も取り合いになってしまいます。江州の商人はこのことをよくわかっていて、自分にしか超えられないような高さの山であればいいのに、と言っているのですね。

単純に商売への教訓でもありますが、ここでの山は目的、目標、のようなものなのかなと思います。つまり、超えるべき山が困難であればあるほど、達成できた時には自分の価値が高まり、自分の思い通りにできる幅が広がってくる、とも言い換えることができると思います。

勉強であれば1位を取ることで、どこでも好きな学校に行くことができるでしょう。会社であれば、大きな目標を達成し続けた人は、やがて社長になれるかもしれません。

ただ、人には向き不向きがありますので、大きさはあまり重要視しなくても、自分にしか超えられない山を見つけられればいいとも思いました。

江州の商人にとってこれは、高く険しい山であり、忍耐力に自身があったのでしょうか。その場所で、その人にしか超えられない山であれば、その分野に関しては自分の思うままに物事に取り組めると思います。

皆さんがこれまで超えてきた山は、他の人も超えてきたものでしょうか?

他のお話はこちら

それでは!

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