お話と教訓:二人の禅僧

昔話
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今回のテーマ:二人の禅僧

昔話には人生の教訓、生きるためのヒントが散りばめられています。今回は二人の禅僧というお話をご紹介したいと思います。一緒に内容を考えていきましょう。

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学べる教訓

二人の禅僧が川を渡ろうとしていました。

その時、近くで若い女が困った様子で川を見つめているのに気が付きました。

女は言いました。
「川の流れが速くて渡れないのです。」

年上の禅僧が言いました。
「背負ってまいろうか」
女はうなずきました。

女を背負って無事に向こう岸に渡ると、女はお礼を言って去っていきました。

女が見えなくなるとすぐ、若い禅僧が年上の禅僧を非難しました。
「恥ずかしいとはおもいませんか。私たちは女の体に触れることは許されてはいないのですよ」

二人はやがて寺にたどり着きました。若い禅僧は年上の禅僧に言いました。
「あなたは禁じられた下品な行為を行いました。寺の住職に報告します。」

年上の禅僧は訳が分からないという様子で訪ねました。
「私が何をしたというのだ。」
「美しい女を背負って川を渡ったじゃありませんか」

さて、この後年上の禅僧は何と答えたでしょうか?

「ああ、あのことか。お前の言うとおり、確かに背負った。だが、私は川岸に女を置いてきたぞ。しかし、お前はまだ女を背負っているようだな」

解説

皆さんいかがだったでしょうか。

このお話は、いつまでも女を背負い続ける禅僧のお話です。
簡単に言えば執着はいけない、ということでしょうか。

若い禅僧は規則に厳格であり、女を助けようとはしませんでしたが、年上の禅僧は規則を破って女を助けています。

何かの目的があって規則が定められていますので、その目的の為に規則は守られるべきだとは思いますが、規則を守ること自体が目的になると、自分をがんじがらめに縛ってしまいます。

また、年上の禅僧は助けた後はすっかりと忘れていますが、若い禅僧はいつまでもそのことを気にしています。年上の禅僧の言うように、禁じられた行為を続けているのは若い禅僧の方でしょう。

執着というものは、心にずっとストレスを抱えてしまいます。
これではいずれ爆発して、周りや自分にとって良くありません。

執着からくるストレスは、自分自身で生み出しているものだと思いますので、自分が若い禅僧に近いと思った人は、少し年上の禅僧の考え方へ歩みよってみると、見える景色が違ってくるかもしれませんね。

他のお話はこちら

それでは!

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