お話と教訓:ましての翁

昔話
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今回のテーマ:ましての翁

お話には人生の教訓、生きるためのヒントが散りばめられています。今回はましての翁というお話をご紹介したいと思います。一緒に内容を考えていきましょう。

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学べる教訓

・視野を広く、俯瞰的に見よう。

お話の内容

昔、近江の国に仏教の篤信者がいました。
その者は普段から何事につけても「まして、まして」と言っていたので、近所の人たちは「ましての翁」というあだ名をつけていました。

暑い日に道で会ったとき、「本当に暑いですね」と挨拶すると、その老人はこう答えました。
「熱いに違いない。人間の世界でもこのくらい熱いのだから、まして焦熱地獄ではどのくらい暑いかはしれない。それを思えば、このくらいの厚さは辛抱しなければなりません」

寒い日に道で会ったとき「たいそう寒いですね」と挨拶すると、その老人はこう答えました。
「寒いには違いない。人間の世界でもこのくらい寒いのだから、まして八寒地獄にでも落ちたら、どのくらい寒いかしれません。それを思えばこのくらいの寒さは我慢しなければなりません。」

老人はこのように何事についても、生涯不平不満を言わず、いつも人に対して、「まして、まして」を連発し、いつもニコニコしながら生活していたと言います。

だから、人は本名を呼ばないで、この老人のことを「ましての老人」と呼んでいましたとさ。

解説

皆さんいかがだったでしょうか。

ましてを連発して、ニコニコしている老人のお話です。
このお話からは、視野を広く持つ、俯瞰的に見る、という大切さがわかります。

この老人は暑い、寒いに対して、それよりもひどい状況を想像して、それを現在の状況と比較することで自分の許容度をあげています。

自分にとって都合が悪いこと、辛いことが起こると、人の視野は狭くなりがちです。
ましての翁は、現状の暑さ、寒さ、ということを認識してうえで、自分の今の暑さ、寒さは地獄も含めてどうだろう、と考えています。

こういった視点を変える、広くすることは、自分のストレスコントロールにも繋がります。翁のように生涯ニコニコとはいかないかもしれませんが、できるだけ近づけたら良いですね。

他のお話はこちら

それでは!

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